OneMillionLess Square

2018年3月28日、世界各地で活動する非営利団体・Project AWARE は、#OneMillionLess (100万個の海洋ゴミの減少) という画期的な成果の達成を発表しました。

同団体が2011年から開始した海洋ゴミに関する世界的な調査プロジェクト「Dive Against Debris®」の一環として、114ヶ国から49,188人のダイバーが海のクリーンナップと海洋データ収集に協力し、海洋ゴミがもたらす生態危機への人々の認識を深めることに努めています。

Dive Against Debrisにおける重要な数字】

  • 1,000,000 - 2011年から回収・報告された海洋ゴミの数
  • 49,188 - スクーバ・ダイバーの参加人数
  • 5,351 - 調査実施数
  • 114 - 実施国数
  • 5,597 - 海洋ゴミに絡まった/死亡した海洋生物の数
  • 64% - プラスチックゴミの割合
  • 307,064 kg - 回収されたゴミの重さ

ボランティアダイバーが回収したゴミは、サンベッドから電池、靴などさまざまで、大量のビニール袋、食卓用品、ボトルなどがありました。これらのデータは、科学者が海洋ゴミの総量を推計する重要な依拠になるだけでなく、生存危機に直面している海洋生物の保護対策、海の保護対策にも活用されます。

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近年、プラスチックによる海洋汚染問題は、かつてないほど注目を集めており、科学者の推測によると、海に流入するゴミは年間で2000万トンにも及びます。2017年、国連と各国政府はプラスチックゴミ規制の強化を実施。2018年初頭、欧州委員会は欧州プラスチック戦略を採択し、史上初の欧州全体を対象としたプラスチック戦略となりました。この戦略は、循環型経済への移行の取り組みの一環であり、廃棄物を削減し、海洋ゴミを減らすことを目的としています。

Dive Against Debrisに参加したボランティアが提供するデータは、各政策決定者に対し、より厳しいプラスチック規制政策の立案を促す役割を果たしています。上記のように、本プロジェクトで回収された海洋ゴミの約7割はプラスチック製のゴミでした。2017年12月、バヌアツ政府はを非生分解性プラスチック製品の輸入と国内製造の禁止発表しました。この政策は、その地域のダイブセンター「Big Blue」を含む環境保護団体の研究結果によって策定されたものです。

Project AWAREは、本プロジェクトに参加したボランティアの行動と努力を大いに称賛し、感謝の意を表しました。彼らは海洋ゴミ問題がさらに注目されるきっかけを作っただけではなく、海のクリーンナップと海洋生物保護にも貢献しました。Project AWAREのディレクターであるDanna Moore氏は「ダイバーが海に潜るのは、海とそこに住む生き物たちを深く愛しているからです。彼らは誰よりも日頃から、海の生物が人為活動により危害に遭う場面を目の当たりにしています。そんなダイバーたちは、海洋活動に励み、現状を変えようとするチームです。素晴らしい成果を収めた彼らに敬意を表します。」と話しています。

また、同氏はさらに多くのダイバーが海洋保護活動に参加するよう促し、政府と関連業界が早急にプラスチックゴミ削減政策を実施し、海洋汚染を引き起こした者に対して処罰を与えるよう強く呼びかけています。Project AWAREは、世界中のダイバーの協力によって、2020年末までにさらに100万の海洋ゴミを回収することを目標に掲げ、海洋ゴミ問題の実態を明らかにしていく方針です。

世界114ヶ国で行なわれているDive Against Debris活動の情報は、以下からご覧いただけます。

 

ProjectAWARElogoProject AWAREとは…

Project AWARE Foundation(Project AWARE財団)は、すべてのダイバーによるすべてのダイビングで、海の惑星である地球を守ろうというムーブメントです。

「Sharks in Peril(危機に瀕するサメ)」と「Marine Debris(海のゴミ)」という2つの深刻な問題に対し、ダイバーは現状や今後の変化に影響を与えることができる立場にいます。

もし、あなたが美しい海の環境を守ろうと考えるなら、ぜひ私たちと一緒にこの活動に参加してください。

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