エベレストやキリマンジャロなどの7大陸最高峰登頂の日本人最年少記録を更新し、北極点&南極点への到達も含めた「エクスプローラーズ・グランドスラム」の世界最年少記録を樹立した南谷真鈴(みなみや まりん)さん。各メディアなどでも取り上げられ、その活動が大いに注目されています。そんな彼女が次の冒険の舞台に選んだのは「海」の世界。セーリングでの世界一周に先立ち、今回はより幅広い海の世界を経験するために、沖縄の海でPADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースにチャレンジしました。

前回のダイビングからしばらく間があいていることもあり、まずは知識とスキルの復習からスタート。マスククリアやレギュレーター・リカバリー、浮力のコントロールなど、プールで基本スキルの確認をするうちに、ダイビングの感覚を少しずつ取り戻していった南谷さんは、「早く海で潜りたい!」と海でのダイビングが待ちきれない様子。

PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースでは、「水中ナビゲーション」、「ディープ・ダイブ」、「ナイト・ダイブ」、「サーチ&リカバリー・ダイブ」、「水中ナチュラリスト・ダイブ」の5ダイブを選択し、事前学習もばっちり済ませて準備万端です。

講習の時期は、まだ沖縄の梅雨のシーズンだったため、大雨の影響で海の中の透明度は数メートルという、ある意味「水中ナビゲーション」や「サーチ&リカバリー・ダイブ」には絶好(?)のコンディション。

というわけで1日目はビーチで、1本目に「水中ナビゲーション」、2本目に「サーチ&リカバリー・ダイブ」、そして夜に「ナイト・ダイブ」を実施しました。四角形のコンパスナビゲーションでは、濁った海の中でも出発地点にぴったりと戻ってくるなど、さすがのセンスを感じさせた南谷さん。どのダイビングでも余裕を持って着実に実施項目をこなし、海の世界を楽しんでいました。

特に「ナイト・ダイブ」では、夜光虫がキラキラと光る幻想的なシーンなどアドベンチャラスな夜の海の世界に感動し、海から上がるときには「もう終わりですか? もっと潜っていたい!」とすっかりその魅力の虜になった様子。盛りだくさんの内容だった1日目を満喫できたようです。

 

2日目はボートで「ディープ・ダイブ」と「水中ナチュラリスト・ダイブ」。前日とは打って変わって、沖縄らしい絶好の透明度の海で、ダイナミックな地形や色鮮やかな魚たちが泳ぐシーンも楽しみながら、深場での色の変化を確認したり、自分で水中生物を探したりと、実施項目をこなしていきます。

美しいブルーの水に包まれて気持ちよく海の中を泳ぎながら、常にバディとのコンタクトを欠かさない安全意識や、ペットボトルや缶などのゴミを見つけた際にはバディと協力して回収するなど高い環境保全意識を持ってダイビングしているのも印象的でした。

すべてが無事に終了し、これで「PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバーに認定!」、だったのですが、南谷さんの「もっともっとダイビングがしたい!」というリクエストにより、追加でもう1本ファンダイビングをすることに。トンネルやアーチなどの地形を満喫し、大満足の1ダイブとなりました。短い期間でしたが、沖縄の海の魅力とダイビングの楽しさを十分に味わうことができたようです。

 

こうしてPADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバーに認定された南谷さん。今後の目標を聞いてみると「ダイビングを通して、海の環境を守る活動をしたいと思っています。たとえば、海の中にあるゴミを拾ったり、オニヒトデの駆除を手伝ったり。親族が住む岩手の海に沈む東日本大震災のガレキの撤去のお手伝いもしたいですね。そのためにはもっとスキルを磨く必要があると思いますので、今回受講した水中ナビゲーションなどはさらに詳しく学びたいですし、Dive Against Debrisなどのスペシャルティ・コースも受講したいです。いろいろな経験をし、知識とスキルを身につけて、いつかはテクニカル・ダイビングの分野にもチャレンジしたいです!」とのこと。これからどんなダイバーになっていくのか、楽しみですね。

⇒南谷真鈴 公式サイト

写真・レポート/鴫谷隆(PADI)

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